PCB検査はサーモグラフィの用途としては長く用いられていますが、近年様相が変わっています。原因特定が困難な不良や時間が経ってから起きる問題、テスターで問題ありと知っても場所の特定ができない、性能の不安定さを特定させる必要性の高まりなど、様々な問題が近年増えています。
AI用の演算系やネットワーク等RF基板、ウェアラブルやパワー半導体関連等、現在の基板は多岐にわたります。PCB・基板技術は超小型化が進み、集積度が上がり、積層数が増え、フレキシブルボードやワイヤーボンディング等、寸法と構造の複雑性が増したため、製造技術や製造工程が向上しているにも拘らず、新しい問題が生じる可能性が高まっています。古くて新しい問題。これがPCB検査の現在です。
問題発生や箇所は多岐にわたります。単純な発熱故障は減少傾向、使用電力は非常に小さくなっており、マイクロワットクラスの基板も増えており、PCBの品質向上は進んでいます。
それにも拘らずICや抵抗の局所発熱・発熱パターンによる性能変動、部品・配線ピッチ等様々な要因によるリーク及びショート、ワイヤ・コネクター部分断線等、テスター等による問題発見はできても場所・原因特定が困難等、古くて新しい問題が発生しています。これらの分析の1つの方法が熱画像解析です。
ICの発熱は以前に比べて局所発熱や複雑なパターンを示すようになりました。CPUやGPUのような大量の計算をするパッケージは発熱自体を抑える必要がありますが、同時にどういう処理でどのように発熱しているのか分析する重要性が高まっています。ICパッケージの発熱は独特で演算系のパフォーマンスを上げるためにパッケージ内の発熱パターンを特定するため温度・空間・色調分解能が高く、かつ専用の処理で分析を行います。
抵抗の評価がトリッキーなのはそのサイズと局所発熱であるためです。抵抗では異常、異常の予測、正常に対して独特のパターンを表します。温度のレベルも重要で、かつその差が判別しにくいことがあります。局所発熱に対しては専用のキャリブレーションが必要で、大雑把な温度計測では予測になりません。一辺0.5~2㎜程度の大きさを複数見るので高い解像度と一定の視野が必要です。アプリケーションの機能が助けになります。
リークは近年増えてきた問題で、原因特定が困難な厄介な問題です。リークは現象なので原因となる箇所・部品を特定する必要があります。電気的に調べるにはかなりの作業量になり、その上で不明な場合もあります。これらは発熱解析で発見可能ですが、もともと流す電流が小さく、分解能、解像度、機能の全てで最も性能・機能に対する要求度の高い用途の1つになります。
ショートはさらに速度を必要とし、現象面で異なりますが、熱画像による解析で特定可能です。ホットスポットの検出と計測は高い性能と正確なキャリブレーションを必要とします。一方で多くの情報が含まれています。サーマルヴューXではこれらに対応した機能をご用意しています。
フレキシブルボードは応力がかかるため特定部位の異常発熱が問題になります。ワイヤーボンディングに関係する部位も同様に考えられます。
コネクタ関係、はんだ等測定部位が極小化して温度計測が難しくなっています。局所計測の重要性と同時にワーキングディスタンスが重要になります。
電子基板設計・開発・EMS企業ではデバイスの小型化に応えて高い集積度、超小型構成品、薄く多数の積層の中で品質向上を続けられていますが、一方で最終製品・デバイスの性能向上と極小設計要求、耐久性と柔軟性の必要性というように関連技術の矛盾や困難を両立を迫られています。顕微鏡サーモグラフィによる分析・検査の重要性は高まっていくと考えられます。
サーマルヴューXはこれら新しい課題に対応します。最新の技術を搭載したラインナップではPCBリークファインダー、PCBインスペクターと検査システムのご用意とサーマルヴューX MCRシリーズという顕微鏡サーモグラフィ単体のご利用が可能です。