Accuracy::サーモグラフィ計測における目標精度・再現性


  • 目標精度と測定内容

 測定内容によって目標精度は変わります。
 冷え性を見たいのであれば、室温付近まで下がり、冷え性でなければ30℃を超えてきますから、それほど重要視されません。 抹消とそれ以外、あるいは左右差など分布として判断できれば十分なケースもあります。


  • 目標精度と測定内容2

 被験者の温度変化を見たい場合には、精度とともに再現性が重要になります。
 人体温度測定の場合、皮膚温もサーモグラフィのの測定値も周囲の温度の影響を受けます。 精度を問う場合は、入念なセットアップと基準の取り方が重要になります。


  • ±2℃の意味

 難しいのは製品仕様に測定精度±2℃と書いてあるから、検討されている測定対象物を±2℃で測定できるとは限らない、ということです。
 サーモグラフィの仕様精度はあくまで黒体炉比で、一般に恒温層という安定環境下で確認された精度です。 特に人体の場合皮膚温が室温に影響するので、撮影目的が何であるかを明確にし、目標精度を決める必要があります。 その目標精度によってサーモグラフィの選定、セットアップを検討する必要があります。


  • 再現性の重要性

 サーモグラフィではしばしば、仕様としての精度以上に再現性の確保が重要になります。
 サーモグラフィの仕様精度は上述のような条件があることに加え、技術的・原理的に計測信号のドリフトがつきまといます。 つまり測定値はある範囲のふらつきがあり、その範囲はサーモグラフィのグレード、設計によって異なります。
仕様精度と再現性は冷却型でない限りは切り離して考えるべきで、非冷却型サーモグラフィにおいてはその対策が必要となります。
ハードウェア的に性能が高いものを選択する方法とソフトウェア的に対策を取る方法があり、その計測目的、ゴールと予算に応じて検討することになります。


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目的(何を何のために)
測定温度範囲
目標精度・再現性
感度(温度分解能)
画像の細かさ(目的、対象物の大きさ、撮影範囲)
サーモグラフィ設置条件(撮影距離、障害物、周囲の状況)